配線保護部材の検討方法

配線保護材の選定について、選択肢が多く迷われることは無いでしょうか。

 

結論:目的と要件が明確になれば、適切な選定が可能です。

実際に弊社がお客様にご提案する際にヒアリングする視点・設計から 項目をまとめました。 配線保護の目的と要件に基づき、選択肢が複数ありますでの、状況に合わせて参考にしていただければ幸いです。  

 

配線を保護する目的と要件

 

・目的について

当然、電線を外部から保護することになりますが、「何から」保護するのかによってどの程度のスペックの保護材を選定するのかが決まります。
以下に配線保護の目的を項目ごとに記載します。

 

・結束/収納

単純に何本かの配線を束ねてまとめることで収納性を向上させることを目的とします。 結束バンドでまとめてしまえば最も安価で済みますが、以下に記載するようなケースには対応が難しくなります。

 

・摩耗/衝撃

機器自体の稼働や振動による断続的な摩耗や、配線に何かしらの衝撃が加わることを防ぐことを目的とします。 摩耗の頻度や、加わる負荷に応じて、強度の高い保護材を選定する必要があります。 強度とのトレードオフで、柔軟性が失われることもあるため 強度と柔軟性を兼ね備えた保護材の選定需要が高まっております。 近年ではそこに「作業性」も加わり、 柔軟性×強度×作業性のバランスを如何に取るかが重要になります。  

例:後入れ編組チューブ

https://www.denka-e.co.jp/products/detail/7

 

・熱

配線を使用する場面が常温環境下ではない場合、周辺環境温度に対応することを目的とします。 影響を及ぼす範囲と温度を明らかにするとともに、遮熱・断熱の必要性と条件を整理する必要があります。   

 

・ノイズ

配線に機器から発生したノイズが影響を及ぼさないように保護することを目的とします。 ノイズ対策については別途記事にてまとめますので詳細は割愛致します。
 

・水分/粉塵

配線に水分・粉塵が付着した場合に配線の被覆に影響を及ぼさないように保護すること目的とします。 IP等級で防塵防水の等級がありますので、どのグレードで保護する必要があるのかが明確になっていれば、そのグレードに応じて検証が行えます。  

・薬品/オイル

配線に対して、薬品やオイルが付着した場合に配線の被覆に影響を及ぼさないように保護すること目的とします。 どういった種類の薬品なのかをによって選定する保護材の材質が変わります。  

・耐候(紫外線 湿度

屋外で使用する場合、配線に紫外線などの影響から保護することを目的とします。 耐候性については紫外線照射での実験に基づき、保護材そのものが劣化しないかがポイントになります。

 

例:耐候性結束バンド

https://www.denka-e.co.jp/products/detail/198

 

・害虫/害獣

配線を害虫・害獣から守ることを目的とします。 近年では害獣による断線の事故も多発しており、対策が求められております。 害獣が嫌う成分を混ぜたチューブもありますが、チューブが食い破られてしまう事例が出ており、100%の対策になっていないのが実情です。  

・目的別の選定表(どれを選べばいいのか)

下表にて配線保護部材の使用目的別に〇(使用可能)△(状況によって使用可能)×(使用が困難)にて分類しております。

様々なシチュエーションで使用できるのは「編組チューブ」になります。
編組チューブの選定方法はこちらの記事をご参照ください。
また各製品の詳細は下記よりご確認頂けます。
・コルゲートチューブ
・スパイラルチューブ
・編組チューブ
・ビニールチューブ
・熱収縮チューブ
・シート型チューブ
・シールドチューブ

・要件について(さらに要求事項がある場合)

要件については配線を保護する機能とは別に、お客様のポリシーや 発注先の指示により様々となります。
ここでは一般的に求められる要件を記載します。

 

・環境負荷物質

ROHS・REACHなどの規制物質の含有有無

 

・難燃性

UL規格に基づく、難燃性のグレード

 

・サイズ

被覆物体の外径

 

・施工

既設の電線の場合、後付けできるものを選定する必要があります。

 

・長さ

保護する対象の長さ

 

・使用場所

クリーンルームの場合は発塵のない製品を選定する必要があります。

 

・入手性

国内流通で、小ロット、短納期などの入手性の高さも重要です。

 

・目的、要件別の選定表

選定表はこちら

 

 

上記の目的の整理と要件の整理からお手伝いも可能です。

 

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